床への施工法
300㎜角以上の大形タイル
注意点
タイル床面は下地コンクリートの硬化や乾燥による収縮、降雨による湿潤膨張、日射や気温変化によって伸縮します。伸縮目地が適切に取られてない場合はタイルの変形、剥離の原因になり、設置間隔が広すぎる場合は下地の収縮に対してタイル面が追従出来ず、タイル自体が変形したり、剥離してせり上がったり、下地のひび割れ発生によっては、その上のタイルにひびが入る等の損傷が起こります。また、養生期間が短い場合や張付けモルタルの付け代が大きい場合にも、モルタルの収縮によってタイルが変形、剥離する場合があります。
コンクリート下地
- 設計荷重を満たす強度を有し、収縮ひび割れに対する処置が必要。
- 現場打ちコンクリートの場合、所定の養生期間(最低2週間以上)をとる。
- 施工前には必ず表面のレイタンスをサンダーやスクレイパーを用いて取り除く。(高圧水洗浄も有効)
- 伸縮目地(収縮目地・膨張目地)は3mピッチ程度で配置し、囲まれた面積は10㎡以内とする。
床タイルの伸縮調整目地
- 伸縮調整目地の設置間隔および囲まれた面積はコンクリート下地の伸縮目地に必ず合せ、下地の伸縮目地にまたがってタイル張りを行わない。
- 伸縮調整目地幅は10㎜以上かつコンクリート下地の伸縮目地幅以上。
- モルタル下地部分の伸縮調整目地部分は発泡材を充填する。
- タイル部分の伸縮調整目地は変成シリコーン系、ポリサルファイド系を使用する。
1.敷モルタル工法
コンクリート面に敷モルタルをむらなく敷き均し、その上にタイルを仮置きし、ゴムハンマーなどでたたいてレベル等の位置調整を行った後、タイルを一旦取り除き、敷モルタルにセメントペーストを塗布してタイルを置き、直ちにゴムハンマー等でたたき押さえして張り付ける工法です。セメントペーストは1枚張るごとに塗布して下さい。
敷モルタル | セメント | 1 |
---|---|---|
細骨材 | 3~4(粒度2.5㎜以下) | |
セメントペースト | セメント | 1 |
細骨材 | – |
2.圧着貼り工法
下地に貼付モルタルを塗り付け、タイルを貼り付ける工法です。300㎜角以上の大判タイルは、くし目高さが10㎜以上のくし目ごてを用いて貼付モルタルを塗り付けて、タイル貼りを行います。専用の振動工具で押さえる方法もあります。
張り付けモルタル | セメント | 1 |
---|---|---|
細骨材 | 1~2(粒度2.5㎜以下) |
3.改良圧着貼り工法
200㎜角以上の床タイルの施工に適しています。下地に貼付モルタルを塗り付け、これが固まらないうちにタイル裏面全体にも貼付モルタルを塗り付けてタイルを貼り付ける工法です。
張り付けモルタル | セメント | 1 |
---|---|---|
細骨材 | 1~2(粒度2.5㎜以下) |
4.全面接着剤貼り工法
屋内床へのタイル施工に適しています。床タイルの大きさ、下地の種類で異なりますが、接着剤を下地全面に塗り付けてタイルを貼り付ける工法です。
※部分的に接着剤を塗り付ける工法は、タイル裏面に空隙が生じて割れの原因になる事があるため、
床への施工には不適切です。
「タイルエース床用」(セメダイン(株))による施工方法をご参照下さい。
5.タイルクリップ工法
「NCフィックスプラス」をご参照下さい。
6.レベリング工法
「NCレベリングシステム工法」をご参照下さい。